退去時の修繕費について

トラブルの多い修繕費問題

部屋を借りた場合、引越しなどでその部屋を離れるときは、もとの状態にして返すという義務を果たさなければなりません。

しかし毎日生活をしているとどんなに丁寧に使っていても、年数を経たことによる劣化も含め、当然なんらかの傷みは生じてくるものです。

ですから貸主である大家は、補修・修繕を行って次の人に貸す準備をしなくてはなりません。

しかしどの程度までその修繕費を借主が負担するのか、敷金から差し引くとして、どの程度マイナスとするのかといった問題は、非常に微妙な部分も含みますから、家の貸借をめぐって発生するトラブルの典型的なものといってよいでしょう。

近年では極端な例ははるかに少なくなっていますが、大家である家主の代理人の不動産業者から退去者に対し、多額な補修費用が請求され、敷金がまったく返還されないとか、さらに敷金では不足するといって追加の支払いを求めてくるといったケースが見られ、トラブルが多発していました。

畳や壁紙など、入ったときに新品だったのだから、全て新品に変えなければならない、その金額は負担してもらう、といったケースもあったでしょう。

その結果、修繕費が多くかかり敷金は戻ってこないとされ、そのまま泣き寝入りとなっていた方も少なくないようです。
しかし近年では敷金を返還するのが原則という考え方が広がり、修繕費についての認識も変わってきました。

原状回復の範囲

退去時における妥当な修繕費を考える上で、ポイントになるのはどこまで修繕すべきかであり、それはつまり原状回復の範囲の問題ということになります。

ですがこれに関して国土交通省がガイドラインを公表、平成23年8月にさらにその内容を充実させた改訂版を発表していますから、これをもとに考えていきましょう。

ガイドラインでは建物の傷み、発生した汚れなどについて、大原則としていわゆる経年変化、通常の使用による損耗等の修繕費は賃料に含まれるとの見解を示しています。

これを前提に建物の損耗について、自然な劣化、使用によって生ずる損耗、故意や過失、違反など通常の使用を超えるような行為で発生した3つの区分に分けています。

1つ目と2つ目は賃料の中に組み込まれているものであり、家主が負担するものとしているのです。

そして3つ目については、その箇所を居住年数なども加味した上で、経年変化や通常損耗分、1、2にあたる分を差し引いて、その通常損耗程度にまで普及するための費用は借り手側が負担することとしているのです。

ですから、たとえば借りたときの新品状態が10として、経年変化や通常の使用での痛みによって、その価値が7に減少したと客観的に算出されたとしましょう。

そして、実際の状態が6の価値状態となっていると判断されたら、その部屋を借りていた人が退去時に負担しなければならないのは、6から7にするために必要な修繕費分ということになります。

ただし通常の使用でも手入れが悪く、気づきながらも状態を放置したために、その損耗が拡大したという場合には、その分も借り手が負担しなければならないので注意が必要です。

疑問点がある場合はどのような補修が行われたのか、大家や不動産業者等に通知し、明細をチェックさせてもらって交渉することが必要です。

交渉では弁護士などの専門家にサポートを求めるか、費用面で難しければ国民生活センターなどを利用するとよいでしょう。

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